あんさんぶるの奏でる未来
あんさんぶるの奏でる未来
〜私たちの“今まで”を振り返り“これから”を語る対談企画〜
ANSANBUL VISION
井ノ上 勇二郎(いのうえ ゆうじろう)
理事長
井ノ上 勇二郎(いのうえ ゆうじろう)

伊丹市出身。自分が育ったこの街を、障がいを持つ方が幸せに暮らせる地域にしていきたいとの思いで2011年にあんさんぶるを立ち上げる。

田中 公宏(たなか きみひろ)
生活介護・管理者
田中 公宏(たなか きみひろ)

あんさんぶるがNPO法人から社会福祉法人への転換期にあった2021年入社。井ノ上理事長と共に、事業拡大に向けての組織改革に奔走している。

障がいを抱えて生きている人が幸せに、
豊かに暮らせる地域をつくっていきたい。
そこに力を尽くせることに、この仕事の意義がある。

現在は6つの事業所で8つの事業を展開し、約200名もの利用者の方がいます。また、今後は5年ごとにグループホームを新設する構想をかかげています。改めて、あんさんぶるはこれからどんな未来に向かうのでしょうか。

【井ノ上】 現在までの計画の中で、グループホームを4つ建てたいというのは公言していました。それで現在は「しゃるーる」と「ぼぬーる」の2つのグループホームを開設しました。近い目標ではあと2つのグループホームを建てること。これは必ずやり遂げます。

3つ目、4つ目のグループホームの建設は計画が進んでいるんですか?

【井ノ上】 建設予定地は確保できているので、順調に進んでいます。

その他に、計画している事業もあるんでしょうか。

【井ノ上】 田中ともよく今後の計画を相談しているのですが、やっぱりまだまだ、重心の方が通えるデイサービスとグループホームが圧倒的に不足しているんです。そのために、我々の力がさらに必要とされていると自覚しています。あんさんぶるほどのノウハウを持つ事業者は少ないと思っていますし。

先ほどから話に出ているスタッフのシフト管理では、ITも駆使していると聞きました。

【井ノ上】 シフト管理をする専用のシステムもそうですし、支援の中で必要になる利用者さんの見守りセンサーやリフトなどの先進機器も使って、働き手の負担軽減と利用者さんのケア拡大という相反する二つの命題に挑んでいこうと思っています。

あんさんぶるの奏でる未来
あんさんぶるの奏でる未来

これから先も、伊丹市を中心に事業を展開していくのですか?

【井ノ上】 そうですね。伊丹市から外に出ていく考えはありません。というのも、伊丹市にどれだけ拠点を増やしても、まだ全然足りてないんです。例えばグループホームですが、一棟のグループホームに居住できるのは6人です。今、目標としている4棟という数をクリアしても、そこでケアできる利用者さんは24人です。伊丹市で支援を必要としている方の数を考えると、まだまだ手が届いていません。

最初にもお話しましたが、『親なき後の支援』を地域でどう支えていくかは、障がい福祉の大きな課題です。障害がある方が幸せに暮らせる地域をつくるために、やるべき事が無数にあると思っています。

障がい福祉という道を選び、頑張って研鑽を重ねていくと、どんな喜びが待っている仕事だと思いますか?

【田中】 介護の仕事ってすごく奥が深くて、どこまでも追求していける仕事だと思っています。やはり、人の支援をするってあらゆる能力が磨かれるんです。目の前の相手が何に困っていて、何を望んでいるのか、思いを汲み取る能力ってすごく大事です。そして、その能力はどんな仕事にも生かされるスキルになります。こんなに、人としての総合力が磨かれる仕事は、世の中に少ないんじゃないでしょうか。
私は、介護の仕事に就く人みんなが、自分の仕事に胸を張れるようになって欲しいと思います。それだけ、自分が成長できる仕事です。

【井ノ上】 私が思うのは、やはり理念にも通じるのですが、障がいを抱えて生きている人が幸せに、豊かに暮らせる地域をつくっていきたいと思っています。その目標を叶えるためにこの仕事があるし、そうした目標に向かって自分の力を尽くせるという事が、この仕事の喜びなんじゃないかと思っています。その先に、「介護の仕事をしている」と胸を張って言える未来があるんじゃないかなと、思っているんです。

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